司馬遼太郎氏は本当に龍馬が好きだったのでしょう。創作部分をつくる為に竜馬という文字を使ったとも聞いています。
創作部分では福岡のお田鶴様、寝待の藤兵衛などが活躍します。
ここでは藤兵衛と一緒に江戸剣術修行へいく20歳の龍馬の描写があります。
竜馬がはじめて富士山を見たときの事である
「藤兵衛この景色をみろ」
「へい」
藤兵衛はつまらなさそうにみた。
「気のない顔だなあ、藤兵衛一向に驚かぬな」
「見慣れておりますんで」
「若いころはじめてみた時は驚いたろう。それともあまり驚かなんだか」
「へい」
「だからお前は盗賊になったんだ。血の気の熱いころにこの風景をみて感じぬ人間は、どれほど才があっ ても、ろくなやつになるまい」
「おっしゃいますねぇ。それなら旦那は、この眺望をみて何をお思いになりました」
「日本一の男になりたいと思った」
「旦那」藤兵衛はむくれて「それは気のせいでございますよ」
「当たり前だ、正気で思うものか。坂をおりればすっかり忘れているに違いないが、しかし一瞬でもこの絶景をみて心がわくわくする人間と、そうでない人間はちがう」
このくだりが私は好きである。私も富士山や冬の夜空にきらめく星をみるのが好きです。心が洗われ、色々な悩みが吹き飛んでいくような気がします。
「日本一の男」
やはり男と生まれたからには、どんなものでもいいから日本一を目指したいと思います。
創作部分では福岡のお田鶴様、寝待の藤兵衛などが活躍します。
ここでは藤兵衛と一緒に江戸剣術修行へいく20歳の龍馬の描写があります。
竜馬がはじめて富士山を見たときの事である
「藤兵衛この景色をみろ」
「へい」
藤兵衛はつまらなさそうにみた。
「気のない顔だなあ、藤兵衛一向に驚かぬな」
「見慣れておりますんで」
「若いころはじめてみた時は驚いたろう。それともあまり驚かなんだか」
「へい」
「だからお前は盗賊になったんだ。血の気の熱いころにこの風景をみて感じぬ人間は、どれほど才があっ ても、ろくなやつになるまい」
「おっしゃいますねぇ。それなら旦那は、この眺望をみて何をお思いになりました」
「日本一の男になりたいと思った」
「旦那」藤兵衛はむくれて「それは気のせいでございますよ」
「当たり前だ、正気で思うものか。坂をおりればすっかり忘れているに違いないが、しかし一瞬でもこの絶景をみて心がわくわくする人間と、そうでない人間はちがう」
このくだりが私は好きである。私も富士山や冬の夜空にきらめく星をみるのが好きです。心が洗われ、色々な悩みが吹き飛んでいくような気がします。
「日本一の男」
やはり男と生まれたからには、どんなものでもいいから日本一を目指したいと思います。